ストレスによる心身症やストレス関連疾患が年々増えている現代。
ヨガは健康や美容にも効果があるとして注目されています。
また、ストレス性の疾患・生活習慣病、介護予防、こころの病…etc,,にも有効とする研究報告が増え、統合医療としても取り入れられてきています。
ヨガには様々な流派やスタイルがあり、それぞれに特徴や効果があります。
ヨガの中にはヨガセラピーというものがあります。
このブログでは、ヨーガセラピーと一般のヨガの違いについて、ヨーガセラピーのメリットと効果、ヨガセラピーのやり方と注意点について解説します。
ヨガセラピー(ヨーガ療法)とは
ヨガセラピー(ヨーガ療法)とは、4000年以上前から伝わるインドの伝統的ヨーガを、科学的研究をもとに一般の人や疾患を持つ人でも安全にできるよう応用したヨーガです。
お子さまからご高齢の方まで、どなたでも安心して行うことができます。
おひとりおひとりの身体や心の状態をアセスメント(見立て)し、その方にあったオーダーメイドのヨガを提供します。
ヨガセラピーは、メンタルヘルス・ケアとしても効果が高く、身体や呼吸の意識化によって脳の活性化・自律神経が安定し、ストレス・ホルモンが減少することが最近の研究で分かってきました。
ストレス性疾患・生活習慣病・介護予防や心の病にも有効との研究報告が増え、現代医療的治療の補完的な療法としても期待が高まってきています。
研究の一部「慢性疲労症候群のための仰位で行うアイソメトリック ヨガ プログラム」は下記↓のYou Tubeでご覧になれます。
ヨガセラピーと一般のヨガの違いとは?
ヨガセラピーと一般のヨガの違いって?
ヨーガセラピーと一般のヨガは、対象者や目的、内容、指導者などが異なります。
以下にその違いを説明します。
ヨーガセラピーと一般のヨガ:①対象者の違い
ヨーガセラピーは心身に不調を抱えている方や健康を維持したい方に向けたヨガの手法です。
一方、一般のヨガは健康な人が対象で、ポーズや呼吸法を学び、体力や柔軟性を高めることを目的としたヨガです。
例えば、ストレスや不安に悩んでいる方、女性特有の悩みを抱えている方、生活習慣病を持っている方などは、ヨーガセラピーがおすすめです。
症状や疾患を抱えている方たちは、一般のヨガでは自分にあわないポーズや呼吸法を行ってしまう可能性があり、身体によいと思って行ったことが返って、逆効果になってしまうこともあります。
ヨーガセラピーと一般のヨガ:②目的の違い
一般的なヨガは、健康な方が対象で、ポーズや呼吸法を学び、体力や柔軟性を高めることを目的としたヨガです 。
体を動かすことでリフレッシュしたりリラックスします 。
一方、ヨガセラピーの主な目的は、特定の健康問題や症状を改善し、回復することです。
ヨガセラピストは、クライアントの個別のニーズに合わせてカスタマイズされたプログラムを提供し、心理的ストレス、うつ病、不安症、慢性痛、神経系の障害など、様々な身体的および精神的な問題にも対処していきます。
厚生労働省の「統合医療」に係る 情報発信等推進事業のサイトでは、『統合医療としてのヨガの安全性と有用性に関する研究』によるヨガのエビデンスレポートが多数掲載されており、病気を持った方へのヨガの研究も多数報告されています。
ヨーガセラピーと一般のヨガ:③内容の違い
ヨーガセラピーは心身に不調を抱えている方や健康を維持したい方に向けた、個別に寄り添ったヨガの手法です 。
個別に寄り添ったプログラムが提供されます。
ヨーガセラピーではヨーガセラピストと一緒に自分の心身の状態や目的を明確にし、自分にあわせたポーズや呼吸法などを教えてもらいます。
また、定期的にヨーガセラピストとコミュニケーションをとり、プログラムの効果や改善点を確認します。
一方、一般のヨガではインストラクターが決めたポーズや呼吸法などをクラスで教えてもらいます。
ストレスや不安を忘れるために集中力を高めるポーズや呼吸法を行ったり、気分転換するポーズや呼吸法を行います。また、クラスでは自分のペースではなく、他の参加者と同じように動いていきます。
ヨガセラピストとヨガインストラクター:④指導者の違い
ヨガセラピストとヨガインストラクターって何が違うんんですか?
ヨガセラピーは、伝統的なヨガの思想や実践を科学的根拠に基づいて体系化したものであり、専門教育を受けたヨガセラピストが指導します 。
医学や心理学などの知識についても学んでいます。
ヨガセラピストは個人の心身の状態やニーズに応じてアドバイスやサポートを行っていきます。
ヨガクラスのインストラクターは、一般的にグループのガイドとしての役割を果たし、健康な参加者に向けて一般的なヨガプラクティスを提供していきます。
一般のヨガは、様々な流派やスタイルがあり、インストラクターによって指導法や内容が異なります 。
ヨガインストラクターの資格で、一般的に聞くのがRYTという全米ヨガアライアンスが認定するヨガの資格です。
RYTは全国各地・オンラインでも、クラスが開催されており、クラスに寄って特色が違います。
以上が、ヨーガセラピーと一般のヨガの違いについての説明でした。
- ヨーガセラピー:心身に不調を抱えている方や健康を維持したい方に向けた、個別に寄り添ったヨガの手法です。
- 一般のヨガ:健康な方が対象で、ポーズや呼吸法を学び、体力や柔軟性を高めることを目的としているのがヨガです。
何より大切なのは、自分にあったヨガを選ぶことが大切です。
ヨーガセラピーのメリットと効果
ヨーガセラピーには、以下のようなメリットや効果があります。
- ストレスや不安を軽減し、心を穏やかにする
- 呼吸を整えて自律神経のバランスをとる
- 免疫力や代謝の向上や疲労の軽減
- 筋肉の強化と柔軟性の向上
- 姿勢を改善し、筋肉や関節の痛みやこりを和らげる
- 血液やリンパの流れを良くし、内臓機能や排泄機能を正常化する
- リラックスした状態への誘導、睡眠の質を高める
- 集中力のアップ、創造性の向上
- 精神的な成長と自己認識の促進
- 女性特有の悩み(生理痛やPMS、不妊や産後うつなど)に対してのアプローチ
- 慢性的な病気(がんや糖尿病など)や障がい(リウマチなど)に対するサポートとして行う
・・・etc,,
メリットについていくつかお伝えしていきます。
ストレスや不安を軽減し、心を穏やかにする
ヨーガセラピーでは、深呼吸やリラクゼーションなどの方法で、心拍数や血圧を下げ、交感神経と副交感神経のバランスをととのえます 。
交感神経と副交感神経のバランスをととのえることより、ストレスホルモンの分泌が抑えられ、気持ちが落ち着きます 。
また、ヨーガセラピーでは、自分の感情や思考に気づき(客観視)、そのままを受け入れることを学びます 。
これにより、不安や恐れなどのネガティブな感情をコントロールすることができるようになっていきます 。
呼吸をととのえて自律神経を調整し、免疫力や代謝を向上させる
ヨーガセラピーでは、鼻からゆっくりと深く呼吸することで、肺の機能を高め、酸素の取り込みを増やします 。
ゆっくり鼻から呼吸をすることで、血液中の酸素濃度が上がり、全身の細胞に栄養やエネルギーが届きます 。
また、深呼吸は副交感神経を刺激し、免疫系や内分泌系の働きを活性化させます 。
免疫力が高まることで、感染症や炎症に対する抵抗力が向上します。さらに、深呼吸は代謝を促進し、老廃物や毒素の排出を助けます 。
姿勢を改善し、筋肉や関節の痛みやこりを和らげる
ヨーガセラピーでは、自分の体の状態にあわせたポーズを行います 。
ポーズは無理をしないで自分の感覚や心地よさに従って行います 。
これにより、筋肉や関節の柔軟性や強さが向上し、姿勢が改善されていきます 。
また、ポーズは血液やリンパの流れを良くし、筋肉や関節に溜まった緊張や炎症を解消します 。これにより、腰痛や肩こりなどの痛みやこりが和らいでいきます 。
血液やリンパの流れを良くし、内臓機能や排泄機能を正常化する
ヨーガセラピーでは、ポーズや呼吸法などで、内臓や腹部に刺激を与えます 。
これにより、血液やリンパの流れが良くなり、内臓の働きが活性化されます 。
また、内臓の働きが活性化されると、消化や吸収、排泄などの機能が正常化していき、胃腸の不調や便秘などのトラブルが解消されていきます 。
リラックスした状態への誘導、睡眠の質を高める
ヨーガセラピーでは、リラクゼーションや瞑想などの方法で、心と体をリラックスさせます 。
これにより、脳波がアルファ波やシータ波などの深いリラックス状態になります 。
また、リラクゼーションや瞑想はメラトニンという睡眠ホルモンの分泌を促進し、睡眠の質が高めます。
以上が、ヨーガセラピーのメリットと効果についての説明でした。
ヨーガセラピーは心身に不調を抱えている人や健康を維持したい人に向けた、個別に寄り添ったヨガの手法です。
自分自身をケアしていくことで、健康や美容に効果的です。
ヨガセラピーは一般的なヨガとは違って、ポーズにこだわるのではなく、呼吸や心のあり方など・・・
本質的なものへの気づきを大切にし、自分自身へとフォーカスしていきます。
ヨーガ療法は、古くから伝わる伝統的ヨーガの技法や智慧を科学的に研究・改良してつくられています。
身体機能の回復、心の落ち着き、睡眠などの精神的な健康を向上させる健康法として、健康の方はもちろん、疾患を持った方も安全に行えるように作られたものです。
ヨーガセラピーのやり方と注意点
ヨガクラスのオンライン化が進み、You Tubeなどでも、ヨガセラピーを体験できる機会も増えてきています。
自分で行う際には、決して無理せずに行ってくださいね。
ポーズをとることよりも、自分自身の身体や呼吸の動き、意識に目を向けて行っていきます。
ヨーガセラピーは、一般的に以下のような方法で行っていきます 。
ヨーガセラピーをはじめる前に、ダルシャナというヨガのカウンセリングを行います。
ヨガセラピストが自分にあったプログラムを提供してくれます。
プログラムには、簡単なポーズ、深呼吸、リラクゼーションなどが含まれてます。
ポーズは無理をしないで自分の感覚や心地よさに従って行いましょう。
リラックスできる空間と時間を確保し、自分という存在をあるがままに受け入れましょう。
レッスン以外でも自分でヨガセラピーを日常に取りいれていきます。
定期的にダルシャナ(ヨガのカウンセリング)をおこない、ヨガセラピーの効果やいまの心身の状態を確認していながら、ヨガセラピーを続けていきます。
- 体調が悪いときや食後すぐは行わない
- 妊娠中や月経中はヨーガセラピストに相談する
- 痛みや違和感を感じたら無理をしないで休む
- ヨーガセラピーは医療の代わりになるものではないので、必要な治療や薬は続ける
ヨガセラピーと一般のヨガの違いとは?健康や美容に効果的なヨガの選び方 まとめ
このブログでは、ヨーガセラピーと一般のヨガの違いについて、ヨーガセラピーのメリットと効果、ヨガセラピーのやり方と注意点について説明しました。
ヨーガセラピーは自分自身を治癒していくヨガで、ストレスや不安を軽減したり、免疫力や代謝を向上させたり、姿勢を改善したり、睡眠の質を高めたり、女性特有の悩みや慢性的な病気や障害に対処したりする効果があります。
自分自身にあったヨガを日常に取り入れて、健やかな毎日を送っていきましょう。