重症心身障がい者施設でのヨガ

当サイトは広告を掲載しています。

ヨガは、統合医療としても注目を浴びており、医療や福祉の現場でも、取り入れられることが増えてきました。

ご縁がありまして、重症心身障がい者の方々が通うデイケアにて、ヨーガを行わせていただきました。

この記事では、その時のヨーガの様子をお伝えしていきます。

目次

重症心身障がい者施設でヨガチャレンジ

重症心身障がい者の方々が通う生活介護事業所でヨガを行わせていただいていました。

はじめに声をかけていただいたときは、ヨガできるだろうか?と不安もよぎりましたが、「呼吸ができれば、誰でもヨガはできる」という言葉を思い出し、チャレンジしてみることにしました。

生活介護事業所とは

常時介護を必要とする障害者を対象に、通所することにより主として昼間に入浴や排泄、食事などの介護、調理、洗濯、掃除などの家事、生活などに関する相談、および助言や創作的活動、生産活動の機会の提供などを行う事業所です。

『WAM NET』より

訪問させていただいたピリカさん(札幌市中央区にある施設)は、重度の心身障がいのある方たちが通われている施設で、入所施設と保育園が併設されてました。

通われているみなさんが安心安全で、充実した生活を送ることが出来るように、食事や排泄などの生活のサポートはもちろん、製作活動、散歩、ゲーム、音楽活動、リラクゼーションなど、様々な活動のサポートが行われていました。

リラクゼーション活動としてのヨガ

今回私は、リラクゼーション活動の一環として、ヨガセラピーをさせていただきました。

ヨガの時間帯は、午前中の30~40分。


重症心身障がいの方々にヨガをするのは初の試みだったので
まずはみなさんにヨガを知ってもらうこと
そしてヨガを楽しんで欲しい
という思いで、プログラムを考えていきました。

最終的には、施設のスタッフさんとペアになってのヨガ、タッチケア、アロマも組み合わせて行っていくことにしました。

みなさん、車いすを利用していましたので、車いすの上で行えるヨガにしました。

癒しとしてのヨガ

プログラムを作るにあたって、一番大切にしたことは、サポートする側も受ける側も、ともに癒し癒される

利用者さんだけでなく、スタッフのみなさんにも癒しの時間になればよいなという思いでプログラム作りをしてみました。

限られた時間、限られた人数で、有効的なケアを提供するために、スタッフさんはいつもフル回転で動いています。

フル回転の時は、戦闘態勢の交感神経優位になっており、呼吸は浅く早く、血圧・心拍数も上がっている状態です。

ヨガは、呼吸を大切にしています!

呼吸を意識的にゆっくりすることで、交感神経優位な状態から副交感神経優位な状態へとシフトしていくことができます。

ここの施設で行っていくヨガは、スタッフ・利用者さんのペアで行っていくので、スタッフさんの呼吸がとても重要になってきます!!
スタッフさんの呼吸が早く、緊張していたら、その緊張感はたちまち利用者さんに伝わってしまいます。

なので・・・
スタッフさんが、いまここに集中できるよう、まずはスタッフさんの呼吸をととのえてからスタートすることにしてみました。

利用者さんは

  • 四肢・体幹の麻痺や変形・拘縮があったり。
  • 筋緊張亢進状態だったり、逆に筋緊張が低下していたり。
  • 呼吸が浅く、常に身体が緊張している状態だったり。
  • 自分の意思とは関係なく体が勝手に動いたり。
  • 薬の副作用で常に眠気があり活動性が極端に低下していたり。
  • 逆に常に興奮状態だったり。。。

スタッフさんの呼吸をととのえ、利用者さんに意識を向ける。
あたためた手で優しく触れる。

四肢の曲げ伸ばし、回転などしたり。
肩関節や股関節を動かしたり。
タッピングやマッサージをしたり。
呼吸法をしたり。

毎回、みなさんの意見を聞きながら、少しづつメニューを変えてバリエーションを増やしていきました。

最初の頃は、副交感神経が優位になりすぎてしまい、ヨガが終わったころには熟睡してしまった方がいて。。。

食事の時間になっても結局目が覚めず、お食事に支障が出てしまったこともありました。

このエピソードから、交感神経と副交感神経のバランスを考えてメニューを組むようにと変化させていきました。

五感に働きかけるヨガ

五感へ働きかけ、心地よくヨガを行っていただきたいと思い、ちょっとした工夫もしてみました。

五感とは?

五感とは!?
視覚・聴覚・嗅覚・触覚・味覚。

五感に働きかける

視覚では、アイコンタクトを大切にし
聴覚では、自立神経に働きかける癒しの音楽を流し
嗅覚では、メディカルグレードのエッセンシャルオイルをディフューズし
触覚では、タッチケアでいっぱいふれて
味覚では、ヨガのあとの食事が楽しくおいしくなるように♪

それぞれの感覚に意識的に働きかけるようにしてみました。

嚥下体操にもヨガ!?

食事の前の時間帯にヨガを行っていたので、嚥下体操を意識したヨガの動きを組み込んでみました。
利用者さんのほとんどの方が、食事摂取の介助を受けており、食事の形態も一人一人の嚥下状態に合わせて、準備されていました。

食前に嚥下体操をすることで、飲み込みがスムーズになって食事の時のムセやせき込み、食べこぼしが減ります。

唾液の出がよくなるので、口の中に食べかすが残らなくなり、消化吸収も助けてくれます。

そうすることで・・・

食べ物がおいしくなり、食事の時間が楽しくなります♪
また、舌や唇・あごの動きがよくなり表情が豊かになる、発音や発声機能、呼吸機能が向上するなどの付随的な効果もあるのです!

さらに、食後に口腔ケアをセットで行えばバッチリ♪
私の通っていた施設では、歯医者さんによる口腔ケアの指導が行われていましたよ!

歯ブラシ

お口の健康が、からだの健康を保つためにも重要と言われてます。
毎日丁寧にケアしていると、小さな変化にもいち早く気づくことができます!

重度心身障がい者施設で行うヨガ!
さまざまな変化を感じることができました。

ちほ

癒しの効果だけでなく、嚥下機能のアップにもつながりました♪

活動実績

札幌市内の重度心身障がい者施設、高齢者施設、難病センター、病院などで、ヨガをお伝えしてます。

重症心身障がい者施設でのヨガ
高齢者施設でのヨガ
病院でのヨガ

医療機関、介護施設、学校・幼稚園のPTA、企業、サークル、各種イベント等にて出張ヨガレッスン承ります。

お子さまからご高齢者の方まで幅広い年代の方へ無理なくやっていただけるヨガです。

ヨガに興味のある医療、福祉、保育・教育、自治会等の関係者の方がいらっしゃいましたらお声かけいただけると嬉しいです。

札幌市内、1回10,000円~(交通費は別途いただきます)
お気軽にお問い合わせください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ちほのアバター ちほ ナース・ヨーガ療法士

札幌在住のアラフィフ主婦。
心地よいを大切に!セルフケアを身につけて人生楽しみましょう♪
ヨガとアーユルヴェーダの知恵をお伝えしています。

目次